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ブログ

漢方医学について ~第一回『病は気から』~

清田産婦人科の院長、清田です。

ブログ、スタートしました。よろしくお願いいたします。

 

まず初めに、漢方医学について書いてみます。

『病は気から』という言葉は昔からよく使われています。例えば友達等から軽いけど病気の治療がうまくいっていないと聞かされた時に、『病は気から』というじゃないか、気持ちをしっかり持っていればいい方向に進むと思うよと励ましたりします。

 

この言葉は故事ことわざ辞典によると、心配事や不愉快なことがあったりすると、病気になりやすかったり、病が重くなったりすることとされています。

 

ではこの言葉が最初に使用されてるものを検索してみると、中国最古の医学書、黄帝内経素問(2300年前頃)に「百病生於気也(百病は気に生ず)」と書かれます。

 

この原典の気は、気持ちの意味ではなく、中国医学の身体を構成する3要素である「気・血・水」のことのようです。

身体の3要素で気は身体の活動のエネルギーのことです、血は血液・筋肉・脂肪など身体を作っている物質のことです、最後に水とは透明な水様物のことです。

 

では「百病は気に生ず」とはどんな意味でしょう。風邪等の急性感染症等の場合、今の医学では風邪ウイルスが咽頭(のど)に感染して炎症が起きて、痛み、発熱等を起こしていると説明されています。

また風邪ウイルスに接触しても全員が風邪をひくわけではありません。ウィルスに対する抵抗力(免疫)が弱いとかかるようです。

中国医学ではこの抵抗力のことを抵抗エネルギー(気)が足りないと考え気虚と言います。抵抗力が足りない(気虚)から風邪ウイルスに感染することを病は気からと言っているようです。

 

では急性感染症ではなく、慢性疾患はどうでしょうか、例えば動悸、息切れなど心臓の機能の異常のことを中医学では心臓の機能(エネルギー(心気)が弱っている状態、心気虚と言っています。

また食欲がないことを脾気虚(脾臓は中医学では消化機能のこと)と言っています。心臓でも消化器でも気は病気の始めのようです。

 

「病は気から」は何となく曖昧な表現ですが、コトワザの原点の中医学でははっきりとした、病状を説明しているようです。この続きは次回に。

 

庭に咲いた、蝋梅です。いい香りです。

2020年2月3日(月曜)、晴れ、気温10~12度Ⅽ、例年より暖かい