当院にある漢方の種類をザッと数えてみると約70種類ありました。クリニックでこれだけ揃えているところは少ないのではないかと思います。　

　更年期、月経前緊張症、マタニティブルー、登校しぶり、不安症、軽症うつ、不眠症などなど、心によく効く漢方薬もよく処方して患者様にも喜ばれたりするともっと勉強しようと俄然やる気もアップします。

　最近、心に効く漢方で何を出しているかと言えば、柴胡桂枝乾姜湯、加味逍遙散、加味帰脾湯、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯、苓桂朮甘湯、芎帰調血飲等です。女性を診ていると、頑張り屋さんが実に多く、これでは心身共に疲弊するのは仕方がないと思うことが多々あります。漢方薬を処方する一方で、自分の心と体を大切にすることを伝え、ここに来たら何でも話してスッキリして行って下さい、と伝えます。私が聞く時間がない時は、薬剤師の妻がしっかり聞いている事が多いです。その事が効いているのか、妻を捕まえては話し込んでおられ、泣いたり笑ったり安心されている様です。

　漢方を学び始めて35年、久光先生、牟田先生、飯塚病院での漢方診療科の立ち上げ準備で出会った先生方から色んな事を学んできました．そして熊本に帰って熊本産婦人科漢方懇話会を作り、株式会社ツムラに後援していただき、多くの産婦人科の仲間達と楽しく漢方の勉強を続けてきました。コツコツと学んでいくうちに診療にも手応えを感じ東洋医学会専門医として恥ずかしくない漢方診療を行なっていける様努力を重ねているところです。